清水國明メッセージ 2007年6月

清水國明です。
この夏から「森と湖の楽園」のワークショップとして、音楽合宿を始めます。すでに河口湖にはたくさんの団体が合宿のためにやってきています。学校のクラブやサークル、市民グループが発表会に向けて合宿し、集中して練習しているのです。以前から、本格的な劇場もある自然樂校で練習合宿ができないかという問い合わせがありましたが、残念ながらテント以外に宿泊施設がありませんでした。そのほかの条件、キャンプファイヤーやバーベキュー、散歩コースや遊具などは完璧で、極めつけは深い森の中なので、24時間連続で大きな音を出していてもOKなこと。限られた時間を目いっぱい使いたい人たちにとって、何よりの条件です。この需要にこたえるために、思い切って合宿用の宿泊施設を造りました。今使っている建物は、元幼稚園だったのですが、調べてみたら「旅館・研修所」で建築確認を取っていたのです。ですから簡単な改修で音楽合宿を受け入れることができるようになりました。

音楽に限らず、演劇や、いろいろな趣味を極める合宿にも対応できます。団塊の世代で、まだこれといった趣味に出会っていない人を対象にした、初めての趣味と出会う4泊5日合宿。これは5日間で「釣り、ゴルフ、山登り、畑仕事、モノつくり」にチャレンジするワークショップです。定年後趣味もなく家にべったりいるご主人のせいで、体調を崩してしまう主婦の話を聞きました。FMラジオの女性アナウンサーさんにも、「うちのお父さんをぜひ参加させてください。もうじき定年で、濡れ落ち葉確定なんです」と頼まれました。団塊世代が趣味を持っていないというのは、一種、社会問題なんですね。

「一生退屈したくなければ釣りをしなさい」と、中国の有名なことわざが言っているように、釣りさえ覚えたらすべて解決でしょうに、世の中にはなかなか釣りに目覚めることができない人たちもいるようです。釣りを知らないというのは、人生を半分も生きていない、のと同じだと思うのですが、これがなかなか伝わりませんね。
相性があるのでしょう。ではゴルフは。これもなかなか敷居が高くてすんなりとは入れません。始めてしまえば後は悔しさと面白さで突き進むのでしょうが、最初の一歩がなかなか。しかも会社の仲間と別れて一人で過ごす第二の人生になると、よほどのきっかけがなければ新しい趣味をはじめることなんてできません。山登り、畑仕事、DIY(モノつくり)もしかり。思い切って4泊5日の趣味と出会う合宿に参加して、すべてやってみたらどれかにハマルのでしょう。

けれどねー、そんなとこに参加する積極的な人だったら、とっくに趣味の一つや二つは持っているはず、という外野の声。なるほど、それもそうです。家の外で遊んでほしい奥さんや娘さんが、代わりに申し込んでくれることに期待しましょう。

ところで。音楽合宿の打ち合わせで「清水國明もいるし、ばっちりですね」と関係者に言われ、瞬間、「は?」と意味がわかりませんでした。

ギターが弾けて歌が歌えるプロがいる、てことでした。なるほど、忘れていましたが私は歌手でした。びっくりです。あざとく聞こえるでしょうが、本当です。自分の本質を見失っている、とも言われ、目が覚めました。一世を風靡(って自分で言うのもなんですが)した芸能ゴトを表に出さず、自分を引っ込めて仕事している様は、傍目にはまだ本気出していないように映るようです。必死にやっているつもりなんですがね〜。そうか、やっぱ世間はそんな目で、というかそっちもそんなに期待してくれているのか、と気づきました。考えてみたら有難いことです。よーし、やったろじゃないか、と腹くくりました。音楽合宿に来てくれた人たちに、清水國明を十分活用してもらうことにします。楽器や歌、ステージ関係のことなら、まぁそこそこお役に立てるでしょう。やっぱ、得意なところ、これだけは誰にも譲れないということで勝負かけないと、本気さが伝わらない。釣りも本気でしたが、九磯連の下村会長やサキちゃん、マンボーさんたちには勝てないし、勝てるのはたぶん芸能ゴトだけでしょうからね。


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月刊清水國明2007年6月号